最新チューンナップ&ワキシングテクニックに於けるポイント
チューンナップに関する全体の流れは、HOLMENKOLチューンナップ&ワキシングマニュアルを参考にしていただき、
現状WCでの手法状況と、新潟県内の雪質に関するデータ等を御紹介します。
*エッジ調整に関するポイント
1、 カービングタイプのスキーが主流となり、スキー操作が同時・同調(厳密には交互であるが)させた動きをしなければ
タイムUPを望めなくなってきているため、特にトップとテールのシャベル部分を多めにビベリングをすることにより、
トップの引っかかりが防げ、テールの抜けが効率よく行われると共に、同時・同調操作がしやすくなる。
【マニュアルのP5下段を参照】
2、 エッジの最終仕上げ(シャープナー仕上げた後の処理)は、雪質により、変えなければならない。
@シーズン中で自然な雪、たとえば降雪時や降雪して時間があまり経過してなく、ザラメ雪になってない状態のときは、
水砥石アルカンサスでエッジを研ぎます。水砥石アルカンサスで仕上げると、エッジは立ってはいるが、手や紙は切れ
ない立ち具合になり、ひっかかりやすい新潟県の雪質には有効である。
Aシーズン後半でザラメ雪が人工的(硫安やスノーセメント)にコースが固めた状態や菅平・志賀高原のようなアイスバー
ンのときにはダイヤモンドファイル#360〜#800で研ぎます。新潟県のアイスバーンでは#800で研磨すると
良い。かなり鋭くバリが出た状態となります。
(#360は焼きの入ったエッジの焼きを除去するには有効であるが立ちすぎる場合があるので注意が必要)
Bプレート装着のスキーはプレート下にプレッシャーが多くかかるので、プレートの下エッジが丸くなりやすいので、
常にサイドエッジを調整する必要があります。
* 滑走面に関するポイント
1、 ストラクチャーと滑走面の下地について
@ ストラクチャーは滑走性においては、万能ではありません。良い状態に仕上げ維持することが大切です。
元来、ストラクチャーは滑走面のフラット加工をする為に製造されたストーンマーシーンを使用したために副産物
として生まれた加工状態です。ストラクチャーを加工したままの状態では滑走性はさほど良くありません。
加工したすぐの状態はストラクチャーの目が立っており、雪とスキーの間に水のコロを作り出しづらく、抵抗になり
ますのでストラクチャー加工した後にストラクチャーの目を滑らかにすることが重要です。
手法としては、#1000以上のサンドペーパーでサンディングし、カッパーブラシをかけて仕上げてゆきます。
(#600・#800・#1000・#1500・#2000と順次サンディングすると良い)
A より良い状態を作り出した後には滑走面の下地作りが必要です。(新しいスキーは必ず行う事)
ホルメンコールのアルファMIX(アルファをベースに混合してあります。)を使用しワキシング・スクレイピング
カッパーブラッシング(ブロンズ・しんちゅう製のブラシ)を最低10回繰り返します。
特に新潟県の雪質はワックス処理しないと滑走性が著しく落ちますが使用するアルファMIXは持続せいが高く、
特に新潟県のシーズン中の雪質には非常に滑走性が良く、トレーニングやベース造りには最適で練習のたびに
ワキシングを繰り返し行う事が滑走面の良い状態を保て、いわゆる滑るスキーとなります。
* レースワキシングのポイント
1、レーシングワックス HIBRIDO FXシリーズ
ホルメンコールのHIBRIDO FXシリーズで説明します。パッケージに表示の雪温は参考にしますが、
あくまでも雪質(降雪時・降雪後・湿度等)で判断します。
@ まず雪質の結晶の大小を大きく分類し、HIBRIDO FXワックスを判別することが重要です。
A |
新しい雪もしくは降雪時 |
結晶が大きい |
滑走性が著しく悪く、渋る雪 |
HIBRIDO FX RED |
B |
前日に降雪した雪 |
結晶がやや大きい |
滑走性が悪い |
HIBRIDO FX RED +GW-25 |
C |
3日以前に降雪した雪 |
結晶がやや小さい |
滑走性がやや悪い |
HIBRIDO FX RED +WHIT |
D |
ザラメ雪 |
結晶がつぶれてる |
滑走性やや良い |
HIBRIDO FX YE |
注:ザラメ雪の際、スノーセメント・硫安使用コースはCを参考にしてください。
A 雪の質と水分の状態を判別することが重要です。
水分の量よりフッ素系やアクティブワックスの加えるかどうかを下記により判断する。
*手で握って形になる雪 やや水分がある GW25を使用する (HIBRIDO FXに混合する)
*握りづらい雪 やや乾燥した状態 モリブデンを使用する (少量加える)
(1月の県大会時期には降雪時期であり渋る雪質の場合が多く、モリブデンは必ず必要となる)
B さらにコース上での日照の可否も加味し、日が当たる場所は雪質の水分が多くなり、日陰は水分が多くありません。
コース内での滑走性が落ちる所をポイントにしワックス選定します。特に緩斜面での滑走性を高めることが重要な
ポイントとなります。
C 春先のザラメ雪で硫安等を使用したコースではHIBRIDO FX YE+Bもしくはアルファミックスイエロー+ウルトラブルーを使用
します。配合比率はイエロー:ブルー 3:1程度の配合 トップワックスはナノリキッドを使用します。
使用方法は霧吹きで滑走面全体を濡らした後ナノリキッドを霧吹きした部分に振り掛け、馬ブラシでブラッシングする。
ナノリキッドは溌水性が高く滑走面に塗りづらいため霧吹きで滑走面全体を濡らしその上に散布したほうが効率の良い
散布が可能である。
D 春先のザラメ雪で硫安等が事前に散布されたコース上に湿気のある新雪の降雪があった場合には、
HIBRIDO FX YE+BL+GW25各1:1:1の配合が有効である。
E 又、1月公認大会シーズン中の県内主な競技会場ではHIBRIDO FX RED+GW-25+モリブデンを混合して使用すると、
非常に良い結果を得ることが判明している。
2、トップワックス Fluor Finish 使用方法は【マニュアル参照】
@ トップワックス塗った後に持続性をアップさせるトップスピードパウダーを散布。
特に高速種目ではパウダーは欠かせません。パウダー散布後、さらにシーズン中の上記雪質一覧のAからCまでの
時にはトップスピードペーストレーシングを塗ります。ペーストは初速を稼ぐスタートワックスとしての機能を果たします。
持続性は1000m程度でGSLの2本目の際にもブラッシングの後にトップスピードペーストを塗ります。
A ナノリキッドは水分が浮くような状態時に効果的である。使用法は1、レースワックスのCを参照してください。